魅惑のカナダ

在外訪問研究者の帯同家族として滞在して知ったカナダ情報をバンクーバーを中心に記録してるよ。

ユーコン準州

ユーコンと聞くとみんな『水曜どうでしょう』の「ユーコン160キロ~地獄の6日間~」の話をするけど,真冬に州都ホワイトホースに行ったので,あれとは全然違う感じだったよ。

ユーコン川から湯気が出てた。


概要

19世紀末のゴールドラッシュ以来,鉱業が盛ん。もっともそれより何万年も前から原住民がシベリア~BCあたりまで広く毛皮などで交易してたとのこと。

走りやすい高速道路として,南北にクロンダイク・ハイウェイ,東西にアラスカ・ハイウェイが貫いていて,キレイな景色を堪能できる。

アラスカ・ハイウェイは,日本軍がアリューシャン諸島を攻撃してきたのに対抗するためにアメリカが急いで敷設した歴史

寒さ

普段の冬はマイナス20度くらいなんだけど,時々マイナス40度を下回るよ。そうなると普通の防寒具ではまったく歯が立たないし,ちょっとウロウロしてるだけで凍傷になるよ。だいたい息を吸うだけで咳込んでしまうほどで,空気そのものが凶器だよ。ツアーとかで防寒具を貸してくれるからそういうのを利用するしかない。そんなの買っても一生使うチャンスはもうないし。

ちなみに,アウトドア・ツアーはじめ,いろんなアトラクションは,マイナス30度くらいが挙行限界っぽいよ。マイナス40度くらいだとメニューを工夫をして何とか開催,それ以下だと中止だよ。

オーロラ観光

もちろんどこからでもオーロラは見れますが,冬は寒すぎて見てる場合じゃないよ。せっかくだから,外で見てみようと思ったけれど,ドアを開けた途端にそっ閉じだよ。無理だよ。おうちの中から撮影。

車事情

プラグイン

プラグインの車と言えば,PHV(プラグインハイブリッドカー)を思い出すけど,ここら厳寒地では「Engine Block Heaters」をプラグインすることだよ。

おうちやホテルの駐車場にはコンセントがあって,そこにクルマの前から出てるプラグをつないで駐車するよ。0°F(-18度)より寒くなると,ラジエーターフルードを温めだす装置らしい。車にしても何にしてもだいたいマイナス20度までなら何とかなるようにできてるようで,それより寒くなる場合は,こういう特別な装置が必要になってくるね。実際,これをつないでおけばマイナス40度の朝でも一発始動できたよ。

ただ,仕組み上,他の補器類は温めていないので,ABSの油圧ユニットとか,パワステのポンプとかは,マイナス40度を下回ると,通常に戻すのに難儀するよ。ハンドルは激重でとてもじゃないけど走りだせないので,その場でゆっくり右に左にハンドルを少しずつ切ったり,ブレーキを踏んだり話したりして,なんとか油類の温度を上げてやらねばならなかったよ。

オーバークール

冬にオーバーヒートすることは絶対にないので,むしろとにかく車を暖めたいのでグリルの前に布を張ってる車が多いよ。

ガソスタ

カードが通らないよ。と思いきや,案外,日本のクレジットカードが一番サッと通るよ。

カードが通ったとしても,素直に「満タン」って選択させてくれたらいいのに,「Up to Xドル」しか出ないからどうしたらいいのか迷うよ。が,迷う必要などなく,適当にやれば適当に満タンになるよ。

もし,なんかよくわからんから店の中の人に聞きに行っても,なんかよくわからん感じで「大丈夫」って言われて,実際大丈夫で,どうなってるのかよくわからんけど,大丈夫なんだけど,そんなことを言ってられるのは,こういうカードでピッてできるところの話で,昔ながらの自分で言いに行くようなところは作法がまったくわからんよ。

開かない

ドアが凍って開かない,というのはよく聞くけど,最近はテスラみたいな格納式ドアハンドルも出てきて,ドアを引っ張ろうにも,ドアハンドルそのものが出てこない,みたいなこともあるね(さすがにここらでテスラとかのEVは見かけなかった)。

ドアは開いたとしても,最近の車はトランクにハンドルがついてなくて,ボタンぽち,でウィーンって開くのが多くて,これだと凍ったときに,無理やり引っ張る取っ手がなくて難儀するよ。どこでもいいからとにかくグイグイするしかないね。

禁煙

大麻はユーコンでも合法ですが,車で吸うことはできません

いちいち言われなくても,と思うかもしれませんが,公式調査によると,ユーコン準州では5.1%のドライバーが運転中にアルコール反応陽性,17.8%が大麻反応陽性,と2割以上の運転者が何らかの薬物を接種して運転しているという,なかなかビックリな状態らしいよ。

法的にもGDL(見習い期間)じゃなかったら,血中アルコール濃度0.08までは飲酒OK。ただし1度でもDUI(飲酒運転)で捕まったら,永久にカナダには入国できないので,飲酒運転は絶対ダメよ。

Air North: Yukon's Airline

エアノースはユーコンの原住民Vuntut Gwitchinの経済部門Vuntut Development Corporationが株式の49%を保有している,ガチで地元の航空会社だよ。バンクーバー便は737-500(古い2010s)や,737-800(新しい2024)が充当されてるよ。

荷物は一人2つまで無料で預けられるよ。極寒に備えた防寒具でカバン1個は埋まってしまうからね。

すごい機内サービス

テレビとかはついてないけど,読み応えのある機内誌がある上に,次から次へと飲食物が提供されるから退屈しないよ。まずドリンクには,地元のユーコンビール(めちゃ旨い)や,ダウンタウンのMidnight Sun Coffee Roastersのコーヒーもあるよ。次に,空港にあるBlack Wolf Bistroのシェフが監修しているサンドイッチが提供されるよ。ハム・ターキー・ベジから選べて,ターキーが人気だよ。機内食とは思えないほど美味しいよ。さらに,食後のドリンクとともにデザートとしてあったかいクッキーが提供されるよ。これもめちゃ旨だよ。

「美味しい機内食だなぁ」と浮かれていると,機長から「到着地の天候は曇り,気温は摂氏マイナス42度,大変寒くなっております。」とさらっとアナウンスされて凍り付いたよ。

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